白い皇帝陛下（姉）

作者コメント：

もう春も近いというのに、シベリア寒気団の置き土産で、一夜明けるとあたり一面は真っ白な銀世界。女所帯の帝室で唯一の男手というコトで、えっちらおっちら雪かきで肉体労働に汗を流していると…白「見て見て～！こ～んな大っきい雪ダルマ作っちゃった～♡ほら、冕冠かぶってるから、おばあちゃまなんだよ～♡…かーらーのー、え～いっ！必殺雪玉攻撃をくらえ～っ！！きゃっきゃっきゃっ♡」うわっぷ！顔面は勘弁して下さいよ！？まったくもう、雪かき手伝ってくれとまでは言いませんけど、せめて邪魔だけはしないでくれませんかね、白陛下～！？（涙）この雪景色の中、仔犬のように無邪気にはしゃぎまわる、防寒性ゼロの肌もあらわな御方こそ誰あろう、我が帝国の皇帝陛下（姉）であり、イロイロと難儀なお姉ちゃん（予定）なのである。この帝国…ホントに大丈夫なんかなー？（汗）白「ぶ～ぶ～！つまんな～い！せっかくこんなに積もったんだもん、雪かきなんかいいからお姉ちゃんと遊ぶのっ！！弟クン（予定）は、お姉ちゃんに逆らっちゃ絶対ダメなんだからねっ！？」同じ双子でも、黒陛下は『う～、さび～！』とか言いながら炬燵で丸くなってるのに、お元気ですねえ白陛下は。そんな薄着で寒くないんですか？マジで風邪ひいちゃいますよ？白「ぜ～んぜん！イオセブ・ベサリオニス・ゼ・ジュガシヴィリちゃんからもらったウォッカ飲んできたし、それにほら『大好きな人といる時の雪って、特別な気分に浸れて私は好きです♡』って、言うじゃない？もうお姉ちゃん、心も体もぽっかぽかよ～♡」あー、それで顔が赤いのか。弱いクセに酒好きで、しかも妙に酒癖が悪いって…この王朝に二千年間続く伝統なんだろうなー。（遠い目）白「そ・れ・に～。もし風邪ひいてお熱が出ても…キミが優しく看病してくれるんでしょ？『熱を下げるには汗をかくといいんですよ（意味深）』とか『人にうつすと早く治るって言いますね（意味深）』とか言って♡えへ、えへへ～っ♡…へ、へっくちょ！」ああもう、言わんこっちゃない！？ほら、お風呂入ってあったかくして、玉子酒でも飲んでて下さいな。白陛下は、帝国にとっても俺にとっても、大事な御方なんですから。・・・・・・・・・・・・・・・・ぶぇっくしょん！！うぇ～いっ！？黒「…んで、アンタまでそろって風邪ひいた、と？バっカじゃないの！？この、バカは風邪ひかないはずなのに風邪ひくバカっ！！バカ姉貴のワガママに付き合っちゃダメって、あれほど口酸っぱくして言ってるでしょっ！？」う、ううっ、す、すびばじぇん…（鼻チーン）黒「まあ、いいわ。とにかく、たっぷり汗かいてちゃっちゃと治すわよ！？だけど、あたしにまでうつしたら承知しないからねっ！！」あー。やっぱ治療法って、ソレなんですね？（諦め）